webデザインは工業デザイン・空間デザインに似ている

一口に「デザイン」と言ってもいろいろあると思います。特に日本では、デザインと言うと「アート」を連想する人が多いのではないでしょうか。web制作会社のデザイン課に、イラストレーターさんが多いのもその延長だと思います。

僕はwebデザイン、特にwebアプリケーションのデザインとはアートというより、イスのような工業デザイン、もしくは住居や店舗のような空間デザインに近いんじゃないかと思っています。

共通するのは、長期間および繰り返し使用したときの使い勝手を重視する点です。
こういうののもっとも安価なものが、マウスになるのでしょうか。購入時に、長期の使用感を想像しながら選ぶわけです。選択基準に、パッと見以外の、長期間・繰り返し利用したときの使い勝手が重要視されます。

マウスならお小遣いレベルの買い物なので、チョイスミスも許されますが、これがイス、そして家ともなってしまうと選択ミスは許されません。
買う方も必死になって、長期間使用を前提に選ぶわけですから、それに応えうるだけのものを、デザイン時に考慮しながら作らなければなりません。

デザインする際に、条件や制限があるのも共通点です。イスには背もたれがなければいけないでしょうし、家ならそれどころか「ここに柱がないと崩れてしまう」などと、根本的なものが制限される場面もあります。電気やガスといった生活インフラの利便性を享受させるには、そのためのケーブルを通すスペースが必要なわけです。

つまり居住空間なら、壁紙の色や扉の材質といったアート的なものを考えるより先に、「なぜここに扉が必要なのか?」といった機能的な面からデザインを考えなければなりません。

店舗空間デザインになると、さらに難易度が上がりそうです。特に飲食店だと、料理人が仕事にしやすい空間と、訪問者(客)が満足できる内装を考えなければいけないわけです。使いやすいだけでなく、嗜好がバラバラな大勢の訪問者に好印象を与えなければならないとなると、その難易度はかなりのものでしょう。

店舗空間デザインはwebアプリ、特に商用webアプリとの共通点が多いように思えます。長期繰り返し使用(利用)に対する満足度は当然、それと同時に、そもそもユーザーを利用させる気にしなければならないわけですから、パッと見、使用してすぐの満足度まで満たしていなければならないわけです。


これがwebアプリでなくて企業サイトになると、また話は変わってきます。企業サイトの場合は、そのサイトにいる間の快適さよりも、(おそらくは)訪問者がいかにして目的の情報を見つけるか(もしくは目的の情報があるかどうか判断できるか)が鍵であるので、居住空間などとはちょっと違ってくるかな、と思われるからです。


余談ですが、最近では女性の下着も工業デザインの様相を呈していると思います。以前は長時間にわたる付け心地が重要だったわけですが、これにボリュームアップなどの機能性が加わり、さらに今では人に見せるという役割もあるわけです。そしてそういった意味では、現状のものは見せたときのデザイン的満足度はそれほどではないような気がします(花柄フリルとかは男性受けはしないような気がします)。
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Comments

gizagiza | 2006/04/19 09:16 AM
どもです。
デザインを技術と絡めてヨに出さなければいけないものは、工業デザインなども含めて
常に、練りながら削るって作業だと思います。

できるかどうかわかんないけど、企画の段階で100%のラフがあったとして、
それを技術だとか商売だとかの関係で折衝して試行錯誤しながら、再度練りながらアイディア部分を削らずを得ず、商売として成り立つ形で送り出す、みたいな。

この辺りが企画を実際にリリースまで持ってく力、って事になるんでしょうね。
むつかしいぜ!
masayuky | 2006/04/19 02:15 PM
ダイソンの社長みたいだ!
あの会社には、デザイナーっていないらしいですよ。
設計者=デザイナーだそうです。

でもホント、機能≒デザインであるのが理想ですよね。
ボスに言われた、「ひとつのものに、ふたつ以上の意味があるといいな」
っていうのも日々気をつけてるところです(>_<)
webmaster(TOMODA) | 2006/04/20 12:30 AM
たとえばそこで企画段階でマーケティングがおこなわれていて、ペルソナが用意されていて…、となっていたら、進行も幾分かは楽になると思います。

ここで言うマーケティングとは単純に「市場調査」ではなくて、
・絶対必要なもの
・あったら評価が上がるもの
・あればいいなぁ、というもの
・あってもなくても別に…というもの
に機能を分類するための手段です。そういうことを前もってやっておけば、折衝の試行錯誤で迷走することも少なくなりそうです。

また、「お金を取るポイント」も(比較的)明確になるわけですから、商売の形を求めて五里霧中のなかを歩くことも避けられるかもしれません。

もしwebサイトが工業デザインであるなら、イコール、もっと「100%のラフ」以前の段階で検討されていなければならないことってたくさんあることになると思います。
それはあらゆる工業デザイン商品の製作過程が証明してくれると思います。

こういう考えの共有化ができていないプロジェクトだと、ローンチ直前の段階でのクライアントによる無理難題を押さえることが難しくなるのかもしれませんね。

このあたりは、Googleやはてなでの、リリースまでのフローでも同じことが言えると思います。
両社のサイトって、50%ルール適応(ようするにラボでの公開)の時点ですでに、本当に根本の部分がとっくに検討されて実装されています。50%とは言いながら、プランナーやディレクターから見たらほぼ完成に近い段階です。

ただこんな風にプロジェクトを円滑に動かすには、
・ディレクターの能力
・ディレクターはプロジェクトのトップではなく、同列にいる職種の一つであるという認識の共有
両方がなければいけないのかな?と思いますがレスが長いですかそうですか
webmaster(TOMODA) | 2006/04/20 12:36 AM
設計者=デザイナーって

設計者=デザイナー=すでに既存の製品の利用者

でないとうまく行かないような気がします。これはなんとなくそう思ってるだけなのですが。

あと掃除機って、やっぱりパック機能はあったほうがいいな、と思います。
gizagiza | 2006/04/20 09:19 AM
レスは長くないですよ、そうですよ。
お元気ですか。

意志の共有は確かに必要です。
でもそれって非常に難しいからその辺りの人当たりの良さはないよりはあった方がいいかもと。

そういえばtomodaさんの意見は、工業デザインというよりは、建築に近いのかも。

というのも、何人かの工業デザイナーの行動を鑑みるに、もちろん、彼らには技術や商売の知識は少なからずあるけど、そんな細かくはなかったような気がしたのです。
ほんとクリエイティブって感じ。

その点Webデザイナーは、FlashなどのデザインやってたらActionScriptも必要になってくるし、UI的な観点のデザインもしていかなきゃいけない。
ついでもって言えば、絶対コーディングだってやる必要がある。(やらない子は即死

技術に軸足を掛けたデザインってところでは、建築っぽいなあと。

設計者=デザイナー=すでに既存の製品の利用者
はブラボーと手を叩くくらいその通りだと思います。

つか、いわゆる家電製品とか四輪車だとかの事業に関わってタダで貰って使ってって大変羨ましいのですが、Webサイトをそれに当てはめても、あんまり同じ土俵の羨ましさを感じないのって、私がこの業界に心までどっぷり使ってない証拠ないんじゃなかろうか。

隣の芝生が青いだけだろうか。

※たぶん、書いた後で気づきましたが、私の論点、完璧にずれてますね。
ごめんなさい。
webmaster(TOMODA) | 2006/04/24 09:28 PM
ずれてないですよー。

そして最近購入したIAの本で
「webは建築に似ている」
と書かれていて、ちょっとうれしくなったりしました。

工業デザインと建築デザインとの間に見えた「差」は、機能とデザインがどれだけ連動しているか?の部分かなと思うのですがどうでしょうか。
gizagiza | 2006/04/26 07:38 PM
さいですです。

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