サイトのUI検討にAIDA・AIDMAモデルが使えそうな気がしたので試してみる

マーケティングのフレームワークに「AIDAモデル」「AIDMAモデル」というのがあります。
おおざっぱに言うと、商品に気づいてから購入にいたるまでのプロセスを、
  1. Attention(注目)
  2. Interest(関心)
  3. Desire(欲求)
  4. Memory(記憶), Motive(動機)
  5. Action(行動)

に分けた消費行動の法則で、AIDAやAISASなども使われることもあります。(詳しくはWikipediaなどをご確認ください)


このAIDA・AIDAMAモデルがUI検討にも使えるのではないか?と思い立ち、そのやり方を考えてみます。


例として、以下のような状況に置かれたときの改善案をAIDAモデルで検討する、というのをやってみます。

あなたはファッション関連のケータイ用ブログを運営しています。そのブログは、訪問者数は多いのですが、離脱率が高いという問題を抱えています。

アクセスログを解析したところ、検索サイト経由でブログのエントリーを読んでくれた人の多くは、ほかのエントリーを見ることなく離脱していることがわかりました。
離脱率を下げるためには、ほかのエントリーに遷移するリンクをクリックしてもらうことが必要そうです。

では、訪問者に、ほかのエントリーを読むためのリンクをクリックしてもらうために、どのような工夫をすればいいでしょうか?



エントリーを読んだ人が他の記事を読むための条件をAIDAモデルで考える


クリックして欲しいリンクがある。このような状況のとき、
「リンクをもっと目立たせればいいのでは」
といった短絡的な判断になりがちです。

これをAIDAモデルを使うとどのようになるのか、こういうふうに検討していくというのはどうだろうか、というのをステップごとに記してみます。


ステップ1・AIDAに、訪問者が満たされるべき欲求を当てはめる


まずは、あるエントリーを見た訪問者が、ほかのエントリーへのリンクをクリックするために満たされなければならない欲求を、AIDAに当てはめてみました。
図1・満たされなければならない欲求をAIDAに当てはめた図
  • Attention:このブログにほかのエントリーが存在することに気づいてもらう
  • Interest: ほかのエントリーも、訪問者が興味のあるファッション関連のものだと思ってもらう
  • Desire:これまで条件にプラス、このブログのほかのエントリーが、ユーザーが期待してるレベルに達していると思ってもらう
  • Action:このブログのほかのエントリーへたどるためのボタン(リンク)をクリックできる状態にある



ステップ2・欲求を満たすための条件を洗い出す


欲求を当てはめることにより、欲求を満たすための条件が見えてきました。
図2・欲求を満たすための条件

たとえば、InterestとDesireを満たすためには、訪問者に「ほかのエントリーも読む価値がありそうだ」と思ってもらわなければならない、ということがわかります(図の条件①)。

さらに、「面白そうだ」と思ってもらっているときに、そのリンクを提供してあげる必要もありそうです(条件②)。


特に条件①は重要です。ほかのエントリーも面白そうだと思ってもらうには、「いま読んだエントリーは自分が読みたいジャンルと一致」していてかつ「いま読んだエントリーが面白いと思った」という条件が満たされていなければなりません。

しかしすべての訪問者が、この条件を満たしているとは限りません。ここで、「条件を満たしていない訪問者のことも考える必要がある」ことに気づけました

では条件を満たしていない訪問者とはどのような状態にあり、それに対してどのような施策を打たなければならないでしょうか。


ステップ3・訪問者の状態ごとに条件を再度洗い出す


訪問者の状態のパターンを洗い出してみます。
ここでは簡略的に、「ファッションに興味があるかどうか」「いま読んだエントリーに満足したかどうか」で分けてみました。
図3・訪問者の状態を加えた図
実際のサービス検討では、「どこからこのページにたどり着いたか」「目的があって探しているのかどうか」などなどなど、もっと細分化するべきかと思います。


状態ごとに改めて欲求を満たす方法を検討することことで、さらに新たな条件が見えてきました。
図4・新たな条件を加えた図
一つは「状態2・ファッションに興味はあるがエントリーに不満足」の訪問者に対してDesire欲求を満たすためには、なんらかの工夫が必要であること(条件③)。


この時点で、訪問者の状態によって表示するリンク(機能)は違っていてもいいのでは、と思えてきました。単純なほかのエントリーへのリンクは、いま読んだエントリーに満足した訪問者にしかクリックする気になってくれないことがわかったからです。

訪問者の状態に適したリンクを出し分けるのが効果的であるとするなら訪問者ごとに有効なリンクを表示させるために、
「エントリーを読んだことによる訪問者満足度をなんらかの方法で把握する必要がある」
という条件を加える必要もありそうに思います。(条件④)。


(条件5は今回はパス)


ステップ4・それぞれの条件を検討


ここまでで、ほかのエントリーへのリンクをクリックしてもらうために必要な条件がいくつ洗い出せました。

ではその条件を満たすための案を検討
サンプル代わりにベタな検討案を書いておきます。

  • 条件1の対応
    • 「前の記事」のようなリンクではなく、エントリータイトルを表示させることにより、リンク先の記事も同じジャンルである(もしくは違うジャンルであること)をクリックする前にわからせる
    • 記事カテゴリごとになるべく同じカテゴリーの記事を紹介する
    • いま読んだ記事と似ている記事を表示する
  • 条件2の対応
    • 適切な位置にリンクを表示させる
  • 条件3の対応
    • 単純な送りリンクに加え、目立つ場所に人気の記事一覧を掲載する。
      • その際、ブックマーク登録数を表示することで、公平な評価であるというイメージも伝える。
  • 条件4の対応
    • エントリー本文を(一定以上の長さなら)分割して表示する。
    • 1ページ目には、ほかのエントリーを読んでもらうことをあきらめてて、別のリンク(機能)を提供する
      • たとえば、このエントリーにたどり着いたのが検索からなら、改めて検索結果をこのブログ内に表示させ、そこに広告を表示して稼ぐ、など
    • 2ページ目以降が表示されたなら、「いまこの訪問者はこのエントリーを面白いと思って読んでいる状態(面白いと思わなければ1ページ目で離脱しようとするはず)」と仮定し、それ用のリンクを表示させる



AIDAモデルによってたどり着いた検討結果


「訪問者の離脱率を下げる」という目的のために、「エントリーを複数ページに分割して表示する」という、一見なんの関連もなさそうな、もしかしたら逆効果と思われるようなUI案にたどり着きました。

今回は個人で試しにやってみただけなので、たどり着いた結果が正しいかどうかはわかりません。
しかしあとで大手ブログのケータイ版などを見たところ、しっかりと一つのエントリーでも分割されたページごとにリンクの出し分けがされているものがありました。
あながち荒唐無稽な策ではないようです。


まとめ:認知的ウォークスルーにも似てますね


ここまで書いていて、このやり方って「認知的ウォークスルー」に似ているな、と思いました。

違いは、認知的ウォークスルーがアクション需要に対しての供給視点で、AIDA・AIDAMAモデルはアクションへの需要視点である、と言えるかもしれません。

私自身がまだ認知的ウォークスルーもAIDA・AIDAMAモデル方式も完全に理解実践できてるわけではありませんので、今後、双方を比較しながら何度かやってみて、それぞれに合った場面を見つけたいと思っています。
Web > UI / design | comments (0) | trackbacks (0)

BANANAサーバー